Column

時間を超えてつながる場所・なりわい暮らしのまち「月見台」

皆様

こんにちは。

「éhn（エン）」の渡辺翼です。

長浦湾を望む横須賀・田浦の月見台は、700年前には鎌倉幕府の家臣の小屋敷があったと伝承されており、1960年代には市営住宅として数多くの家族の暮らしを支えた土地です。人々の営みと温もりが折り重なり、時を超えて受け継がれてきたこの町に、2025年7月、セレクトショップ「éhn」をオープンしました。

éhnは、“ether（空気・空間）”と“naître（生まれる）”を重ね合わせた名の通り、人と人・場所と人・モノと人がふと交わり、新しい気配が芽生える瞬間を大切にしています。衣服や器、家具や雑貨、そして心に余韻を残すアートピースのような存在を集め、暮らしのなかに小さな彩りを届けたいと願っています。

そしてこれからの時間、éhnは単なるお店ではなく、ひとつの“場”として成長していきたいと思っています。ここで生まれる出会いや対話は、目には見えないけれど確かにそこにある温度や空気を育んでいきます。過去から受け継がれた月見台の記憶に新しい物語を重ね、未来へと紡いでいくこと。その営みは、訪れる人々の心のどこかにそっと灯をともすように、静かに息づいていくと嬉しいです。